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覇王伝__蒼剣の舞い2

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 三百年前___四国に突然、蒼い雷が落ちた。
 後に、それは龍だと遺跡に記される。
 『天より下りし龍、狼の牙にて起きぬ』
 臥龍山の遺跡にて、前覇王は蒼剣に導かれるままにその記載と、天狼星を発見するのだった。
 「___覇王陛下は、当時はそれが何か理解らかったようです。ただこの剣を手に入れてからは__」
 『この四国には、ドラゴンが眠っている。』
 狼靖が、驚いた顔をした。
 彼は、同じ言葉を前覇王から聞かされていたからだ。
 「それでこの山、臥龍山って名前なんですね」
 「さぁ、何せ三百年前の人間がつけたんだからな。龍が眠る山、蒼国じゃ意味なんか知らなくてもそう思っている人間ばかりだ。しかも東領は四神の守護区域ときている。それがいつの間にか神聖化されて、聖域と呼ばれるようになった」
 「四神?」
 「拓海、お前な…」
 清雅は、説明を終えて溜息と共にこめかみを揉んだ。
 「北の玄武、西の白虎、南の朱雀、そして東の蒼龍。東西南北の守護聖獣の事だ」
 「星宿さま」
 「そして、この蒼国は東領、即ち蒼龍の地。前覇王陛下は、覇王となられる前はこの東領の領主だった」
 「そのドラゴン何処かに眠ってるって事だ」
 「それが、ドラゴンの遺産?」
 「俺に聞くな」
 思わず絡んだ視線に、拓海はばつの悪さを感じた。
 ドラゴンの遺産___その秘密を解く一つの鍵。
 『_____覇王たる、心臓に秘めたり』
 赤の谷の遺跡に記された意味に、握り締める拳が震える。
 「黒抄が臥龍山の意味を遺産が眠る山と理解しているとしたら、未だ何かある。清雅さまはそう思っているんですね?」
 「問題は、その情報どうやって掴んだかだ。これまでは、俺の首と蒼剣だけに夢中になってたやつらだぜ」
 「セイちゃん、その先あまり聞きたくない…」
 嫌そうな顔をする焔に、拓海もある事に気がついた。
 遺産について、一番初めに動いたのは何処か。しかも彼らは蒼剣ではなく、天狼星を持っていた央軌を襲った。
 「白碧ですか」
 「…でなけば、いいんだがな」
 清雅は、軽く笑んだ。

 「これは珍しい」
 鏡に映る人物に、金色の眸が細められる。
 「元気そうね、聖連」