小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

覇王伝__蒼剣の舞い2

INDEX|35ページ/47ページ|

次のページ前のページ
 

 「七年前、俺はこれが気に入らなかった。蒼王になる気なんざなかったし、いきなり貴方は覇王陛下の息子ですときた。更に蒼剣だ。ぶざけるなと云う気分だったんだぜ」
 「……」
 「結果、俺に厄介事を背負わせた一番の男は、この覇王だ。自分と同じ道を辿らせようと云うんだからな。まったく迷惑な話だぜ。無視する事もできやしねぇ」
 「覇王陛下は喜んでおられましょう。遺志を継がれ、四国の為に剣を振るう男がご自分の御子にいられて。貴方の性格は知り得なかったでしょうが」
 「狼靖」
 「はい」
 「あんたにも、厄介事を背負ってもらうぜ」
 「何なりと」
 「やっぱり、覚悟決めてるんだな」
 ___やはり、似ておられる。
 清雅の暗い表情を見て、狼靖は思った。
 前覇王が、寂しそうな表情を見せたのと同じ顔だ。
 だからこそ、彼は決めたのだ。
 新しい時代と、新覇王誕生に全てを委ねる覚悟はもう出来ている。
 「残酷な叔父貴どのだ」
 清雅は、それ以上何も云わず、父である覇王の肖像画を見上げていた。