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覇王伝__蒼剣の舞い2

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 焔と同じく見回りに出ていた星宿が、その帰路に出くわす修羅場。
 しかも彼はその前に、黒抄相手に一合戦していた。
 「しかも、お前まで厄介事を持ち込むとは思わなかったぜ」
 加勢に加わった武人に、清雅は剣を払いながら皮肉った。
 「あの方はドクトール・ヴィラー公爵さま、吾の父とは友人でした。黒抄に狙われておいででしたので」
 「お前が助けた、そんなとこだろう。どうせ“遺産”がらみじゃないのか?」
 「よく理解りましたね」
 「益々、気に入らねぇ」
 四国最強三人と覇王時代の勇将一人を加えて、形勢は徐々に互角になった。
 「闇己、ここは引くぞ」
 「義勝どの、蒼王を倒す機会ではないか!」
 「とにかく引くのだ!」
 去っていく彼らを、やれやれと剣を鞘に戻す拓海が視線を流す。
 一人の男が、驚きの顔で清雅を見ていたからだ。
 王城で、央軌と呼ばれる男と全く同じ態度。
 「…覇王…陛下?」
 ドクトール・ヴィラーは、そう清雅を呼んでいた。