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覇王伝__蒼剣の舞い2

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 彼が玄武として新たな主を得た瞬間。
 「俺はあの中で、龍の壁画を見た。天に向かって駆け上がる龍___。あんたも一度は見てるぜ。七年前にな」
 「七年前___…まさか」
 狼靖が、初めて顔色を変える。
 彼が見たというもう一頭の龍。
 「その壁画には“覇王たる___に、秘めたり”とあった。覇王が秘めたりなら理解るが」
 そう、前覇王がドラゴンの遺産を隠せば記載は“覇王が秘めたり”となるのだ。
 だが壁画も書かれた記載の文字もかなり古く、“覇王たる___に、秘めたり”となっているのだ。
 抜け落ちた肝心な場所は長年の老朽に崩落し、読めない。
 清雅は、狼靖なら気付くだろうと思った。
 七年前、壁画と同じ形の龍を見た彼なら。
 「やはり、吾の目に狂いはなかった、と云うことですな」
 狼靖は、ふっと笑って膝をついた。
 「貴方は間違いなく、蒼剣が選びし王です」