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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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あいちゃん

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 いよいよおゆうぎ会の日になりました。最初にごあいさつをして、みんなで歌を歌います。それから年長さんの劇、年中さんのおゆうぎ、年少さんのおゆうぎの順にプログラムは進みます。
 あいちゃんのうさぎの劇は、無事に済みました。あいちゃんは練習のときよりうまくできました。
 先生からもお母さんからも「上手だったわよ」とほめられてあいちゃんはうれしくなりました。
 でも……ほんとうは日本ぶようでほめられたかったな、と思いました。
 お昼ご飯をお母さんやおばあちゃんと食べたあと、午後の部が始まりました。
 また全員で歌を歌います。その間、日本ぶようをおどる子どもたちは楽屋で準備していました。
 ところが、楽屋からあわてた声が聞こえました。
「大変! さっちゃんが」
 さっちゃんが急にお腹が痛いといいだしたのです。救急車が呼ばれ、さっちゃんはお母さんや園長先生に付き添われて病院へ行きました。
 そのあと、思いがけないことが起こりました。
「あいちゃん。すぐしたくして」
 あいちゃんは目を丸くしました。
「さっちゃんのかわりにおどってちょうだい」
 先生はあいちゃんの気持ちをわかっていました。だからあいちゃんにかわりにおどるよういったのです。
作品名:あいちゃん 作家名:せき あゆみ