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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
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After Tragedy5~キュオネの祈り(後編)~

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暫く妙な間があった。
デメテルは、十数秒間キュオネをじっと見つめ、キュオネも不思議そうに見つめ返した。

「じゃあ、いってきます!」
蝋燭の灯が揺らめいたのを切っ掛けに、キュオネが動く。軽くステップを踏むように歩くと、 デメテルの横をすり抜け、鉄格子の扉を通り、勢いよく階段を登った。 彼女は、早くダイナの元に行った方がデメテルを安心させられると解釈したようだった。

階段の音が消えるとデメテルは、少し安心したのか息を吐き、僕を見て、微笑む。
「意外だった?レーニスの知り合いとキュオネが面識があって。」
レーニスの縁の神様とキュオネが接点を持っていることは確かに意外だった。けれども、 僕が引っ掛かったところはそこではない。どうして、あんなにレーニスの兄弟だと言う男に狼狽えたのだろうか。何故、キュオネにここから出ていくように促したのだろうか。まるで、キュオネをここに置いておくのが危険だと判断している様子だった。考えても仕方がないので、僕は取り合えず、笑ってみせる。
「意外でした。」
その言葉を聞くとデメテルは安心したように、顔を綻ばせ、歩き出した。

階段を上りきると暗闇はいつの間にか去り、人の気配が一気に増える。色とりどりの絵画が壁に表れ、賑やかな音色の音楽が鳴り響く。美しい光景が辺り一面に広がっていた。

その後、僕は、神界の12人の神様と軽く面接の様な物をした後に、ちょっとした精神面での検査を受けさせられ、帰された。

結果は、明日との事だ。
恐らく、問題なくキュオネの家に帰れるだろう。