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水岡 きよみ
水岡 きよみ
novelistID. 46973
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みずいろ

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(…胸騒ぎがする)
母親からの怒鳴り声を聞いて、一番に思い浮かべたのは、メル友のことであった。
ばれるんだろうか。
学さんと、メールできなくなるんだろうか。
そんなの、いやだ。

わたしは、当時メールを続けていた二人―学さんと、例のしつこい人の片割れである―に、今回のことと、取り上げや解約の可能性、そして、そうなってもやはりメールは続けたい旨を大急ぎで打って送信した。

学さんからまず返信が来て、
〈俺も昔よくやらかしたよ~
 テスト前に鍵忘れたときは焦ったね

 大変だけど、待ってるよ〉
といった感じのメールが来た気がする。
もう一人はあんまり覚えてない。
そして、このタイミングで新たに増えたメル友が、二人目のしつこい人・剛(たけし)である。

〈すいません、掲示板見たんですけど、メル友になってもらえませんか?〉

こんなときにふざけんなー!
とは思ったものの、

〈大丈夫ですけど、実は鍵を忘れて家にはいれなくてもう携帯とり上げなのでそれでもよければ。返信不要です〉
とだけ返信しておいて、とりあえずキープしておいた。

送信メール、受信メール共にまずそうな内容はほぼ削除し、とっておくメールには保護をかけ、パスワードつきのフォルダに移動した。


その後の、母親関連のことは思い出したくもないし、そもそも記憶が切れ切れなので割愛することにするが、携帯を取り上げられたことは本当である。
ちなみに、祖母との会話に出てきた笑ちゃんというのは、妹の名前である。

…この約二年後に、祖母が亡くなるとこの時分かっていたら、もっと何かできることがあったのだろうな、と今は思う。
作品名:みずいろ 作家名:水岡 きよみ