落ちる
それからの、日々。
私と赤音は制服の通りやはり同じ学校で、当たり前のように同じクラスとなり、それからは一緒にいた。ただ、一緒にいた。
赤音はひとつ年上だった。病気で入院している間に一学年遅れたのだという。やはり赤音は体が弱いから、あの日木の元で休んでいたのだろう。私はあのとき赤音に感じた希薄さが現実となったようで少し怯えた。
私は赤音に対していつも敬語を使っていた。赤音が年上だったのもあるが、私はどこか赤音を畏怖していたから。赤音の存在は底しれない空のように終わりが見えない。それは私の心が見せた幻なのかもしれない。
私は底のない空に落ちていく。