社会保障番号 Hiroko
「まずい!顔をカメラに撮された」
「どうする」
「ねえ、この子になにしようとしたの」
博子はスケバンに質問した。
「ちょっと、し、知り合いで」
スケバンたちは、苦笑いをした。
「ねえ、別に・・・。ねえ、今のはなかったことにして」
そのまま、スケバンたちは去った。
「大丈夫。なんだか、私と瓜二つ」
「ありがとう。私、どんくさいから。不良にからまれやすくって」
「そうなの」
「私、佐伯ひろみ。あなたの名前は」
「名のるほどではないわ。私、風紀と治安を守るためにパトロールしているだけ」
「でも、なにかお礼をしないと。と、とても怖かったのよ」
「そうね。ちょっと、地味すぎ。もっと派手のほうがいいわ。女の子だから」
「でも、私、精神的におしゃれをする余裕がないし、興味ないの」
「ちょっと、二人だけで話をしない」
これが、博子とひろみの出会いだった。まるで双子のように顔が似ている。
作品名:社会保障番号 Hiroko 作家名:ぽめ