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社会保障番号 Hiroko

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自由で民主主義な政党だから。私は、ひろみを守る



 大人たちは、環太平洋帝国に支配され苦労を強いられている。比較的に元気な男性たちが、北米大陸戦線で民主レジスタンスと戦わされる。

 民主主義は、とても脆いものである。ちょっとでも油断すればすぐに独裁政治へと転んでしまう。だから、私たちは手遅れにならないうちに、政治に関心を持つべきである。

 でも、投票所にいくのは田舎の高齢者が大部分。都会にすむ若者が投票所には決して行かない!

「自由で民主主義」とテレビで毎回、繰り返し宣伝される党は、今でも日本は民主主義の主権国家と国民を騙し続けている。

「ひろみ、手のひらを出して」
「くすぐったい」
「ねえ、ふざけてないのよ。大事なメッセージを筆談でしないと。都内では数億台の監視カメラが私たちを監視している」
 私はひろみの耳元で、監視カメラがみえない壁の裏側で、ひろみの手のひらに「ひらがな」で、メッセージを送る。

 怪しまれないように、私が通っている高校に進学するように勧める。

 もうじき、高校受験の時期である。

「ねえ、愛国学院とか、学生国民国防院に進学しない。中学を出て就職なんて」
「中卒じゃ、偉くなれない。給料もよくならない。私が薦める高校に進学したほうがいいわ。私、学生国防学院に通っているから」
「そうなの。千葉県内でできた公立高校でしょう。今どき授業料無料の」
「そう」
「徹底した愛国教育を行い、卒業生のほとんどが国防軍とか警察に入るのね」
 2030年、日本に住むアメリカ人は内戦から命からがら逃れ、日本が安住の地だと思いこむ。農業や加工食品、衣類を売る工場を管理している。
 英語が喋れないと仕事が成り立たない時代。

 その意味で、民主主義は、とても脆いものだから、日々、政治の動向に目を光らせなければならない。

 
作品名:社会保障番号 Hiroko 作家名:ぽめ