十七歳の碧い夏、その扉をひらく時 <第二章>
数日後、未咲からメールの返信があった。
“明日の放課後会えませんか?”
この一文を目にした瞬間、心にパッと光が灯った。急ぐ必要はなかったが、気がつくと指が勝手に “どこで会う?”とメールを打っていた。その間一分足らず。この時ばかりは決断が早かった。まるで生まれ変わったかのようだと思った。近ごろはメールを知らせる着信音を聞いただけで胸が高鳴ってしまう。俺は明らかな変化に少し怖じ気づきながらも、四六時中未咲のことを考えていた。
作品名:十七歳の碧い夏、その扉をひらく時 <第二章> 作家名:朝木いろは