30年目のラブレター
哀しい予感
寛貴と再会してから
私の気持ちだけ
ヒートアップしていった。
私が熱くなる分
彼は冷めていく
そんなことを今まで
何度も、何度も繰り返した。
早くおいでと手招きしておきながら
追えば逃げる
最後に哀しい思いをするのは
いつも私。
でも、今回は絶対諦めないつもりだった。
彼に抱いてもらうつもりでいた。
私の熱くなっていく気持ちに
おじけづいた彼は
また私を避け始めた。
私が浮気ですまないことを
彼はわかっているんだろう。
私はいつも本気だった。
いつものことだけど…
次に会えるのが10年後なんて…
嫌だった。
今度逃げられたら
「その気がないなら、二度と電話してこないで」と
告げようと思っていた。
今までお互いに「さよなら」を告げたことがなかったのだ。
メールをしても返事はないし。
電話をしても今はちょっとマズイと言われた。
まただ…
この感覚。
失恋するときの心の痛み。
寛貴は、私が彼を忘れた頃に
必ず現れる。
許せない…。
作品名:30年目のラブレター 作家名:momo