ひざっこぞう すりむいちゃった
ひろ子先生は、たかしくんが、うれしそうに はしっているのを 見たことがありました。
「たかしくんは、はしること きらい?」
「ううん。でも、おかあさんが、ころんで けがすると おこるから」
「そっか、おかあさん、しんぱいなのかな。はしるのって たのしいよね」
たかしくんは、「うん」と うなずきました。
「さあ、先生は、たくさん つかまえにいくよ。たかしくんも はしって つかまえてね」
ひろ子先生は、たかしくんから はなれて いきました。
すべり台のほうから ひろ子先生を よぶこえがしました。
「ひろ子先生、みかこちゃんが、ころんだ」
ひろ子先生が、そこへ見にいくと みかこちゃんは、たちあがって ふくのすなを はらっていました。
「いたい?」
「これくらい へいきだもん」
みかこちゃんは、ないていませんでしたが、みかこちゃんのひざから ちが 出ていました。
「きずを お水で あらってこようね」
ひろ子先生は、みかこちゃんを あらいばへ つれていきました。
みんな はしゃいで おにごっこを つづけています。
しばらくして はしってきた子と ぶつかって たかしくんが、ころびました。
ひろ子先生は、たかしくんのところへ はしっていきました。
「たかしくん、だいじょうぶ?」
ひろ子先生が こえをかけると たかしくんは、おきあがりました。
たかしくんは、すなのついた手で きずを はらいました。
「たかしくん、おみずで あらってこようね」
ひろ子先生は、水で けがを あらいました。
「いたかった?」
「うん」
「ひざっこぞう すりむいちゃったね」
ひろ子先生は、たかしくんのひざを しょうどくし ばんそうこうを はりました。
「たかしくん、ばんそうこう、かっこいいな。げん気な子の しるしだね」
たかしくんは、ばんそうこうを はった ひざを 見ました。
作品名:ひざっこぞう すりむいちゃった 作家名:甜茶