ひざっこぞう すりむいちゃった
空は、青く はれています。
ひろ子先生は、みんなに おそとに 出るように いいました。
みんなが くつをはいて おそとに 出ると、ひろ子先生は、みんなを よびよせました。
「きょうは みんなで おにごっこを します」
みんなは 大よろこびです。ひろ子先生は、おにごっこのしかたを せつめいします。
みんなの中には、どきどきしながら きいている子もいました。
「おにに つかまったら ぼうしを うらがえして その子も おにに なります」
「おにが ふえるの?」
「そうよ。つかまったら みんな おにです。わかったかな。では、先生も はいりますよ」
みんなは、大はしゃぎして、おにを きめる じゃんけんを はじめました。
おには、じゃんけんに まけた たかしくんになりました。
「さあ、はじめますよ。おにさんは、じゅうまで かぞえてください」
たかしくんは、大きなこえで じゅう かぞえます。
「いーち、にーい、さーん、しーい、ごおー、ろーく、しち、はーち、くー、じゅう」
みんなは、こえを あげて はしっていきました。
かぞえおわった たかしくんは、すこし げん気が ありません。
ひろ子先生は、気になって たかしくんに ききに いきました。
「どうしたのかな」
「ぼく、あしおそいし、ころんだら いたいもん」
ひろ子先生は、おどろきました。
「でも、はしらないと だれも つかまえられないよ。さあ」
ひろ子先生は、たかしくんと 手を つなぎました。
「あ、しまった。先生、つかまっちゃたね。先生も おにだ」
たかしくんは、すこし わらいました。
ひろ子先生は、ぼうしを かぶりなおすと、たかしくんと はしり出しました。
ひろ子先生は、ひとり つかまえました。
つかまったその子も、ほかの子を つかまえました。
でも、たかしくんは、まだ だれも つかまえられません。
作品名:ひざっこぞう すりむいちゃった 作家名:甜茶