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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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After Tragedy3~帰路~

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 キュオネは、譲らないといった様子でキロから、目をそらなさなかった。 僕はすかさず謝ろうとしたが先にキュオネが口を開いた。
「前にお母さん言ったよね。誰かのために一生懸命になれる人に悪い人はいないって…。」
「言ったねぇ…。」
「だったら、この人は悪い人じゃないよ。お母さんの息子のシー・ウインドスの事を今でも大切に思っているもの。」
 キュオネの頑固な態度に、キロは参ったと言った感じで、額に手を当てた。
「ユクス、家に帰れなくて、困っているみたいなの。いいよね?お母さんは昔、沢山の人達と生活をしていたんでしょ?」
 恐らくキュオネが言っている旅とは反逆者時代のことに違いなかった。キロは、何かを見極めようとしているのか僕を見、その流れで、デメテルの方を向いた。
「キュオネがこのあんちゃんと単独で仲良くなったとは思えない。同居させるのは、あんたの案?話が随分変わってきてしまっているけど…。」
「…そうですね。すみません。」
 デメテルは1拍置いてから申し訳なさそうに答えた。
 キロとデメテルが見つめ合う。デメテルは、申し訳なさそうに目を伏せた。
「すみません。僕は大丈夫です。」
僕は慌てて断ろうとした。
キロは溜息を吐くと、デメテルの肩に腕を回し、張りつめた場の空気を振り払うようかに明るく言った。
「なぁにびびってんのさっ!!しっかたないなぁ。いいよ。いいよ。分かった。分かった。あたしには選択権はないしね!」
 僕は拍子抜けした。キロはさっきまでの様子とは違い、意図も容易く、了承してしまった。
「そんな世界が終わっちまうような顔するなよ。あたしらの仲じゃないか!!」