小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

After Tragedy3~帰路~

INDEX|3ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

「まあ、別に無事ならば気にしなくていいさね。あたしは結果主義なんでね。過程は気にしないさ。で、そこの女みたいな陰気そうなあんちゃんは?」
キロは僕を指差して聞いてくる。
「お母さん、初対面の人なのに。」
 キュオネはやっとキロの腕から解放され、僕の隣で困った顔をしている。

 まあ、否定はしない。

「ユクスっていって…シーの仲間だった子です。」
 デメテルは少し悩んで、そう表現をした。若干変わった表現の仕方な気もしたが、僕とシー兄ちゃんの関係を改めて考えるとなかなか的確な表現がない気もする。なので、これはあながち悪くない表現なのかも知れない。
「ふーん…。」
 キロは僕をなめ回すように見た。何だか視線が怖い。
「で、何でこのあんちゃんはキュオネの側にいて、あたしらのところに来たのかい。デメテル…あんたの側にいるってことはある程度分かっているんだろう?」
 デメテルが、言葉に詰まっている。僕もなんと言えばいいのか分からなかった。ここで生活させてくれというのは難しい気がしたし、そもそも今更だけど、そんな図々しい話はない。
「お母さん、ユクスもここで暮らせるようにして欲しいんだけど、いい?」
キュオネが口を開いた。僕は驚いて視線をやるとキュオネは真っ直ぐキロを見つめている。
キロは、そんなキュオネの様子に狼狽えずに、見つめ返した。
「このあんちゃんが悪い奴だったら、どうする?」
 それは、キュオネの立場を考えれば当然の質問だった。デメテルの話が本当なのだとすると、キュオネは天才と言われたレーニス・フェアリースの娘であり、また、人々が嫌っていたシー・ウインドスの娘なのだから。事情を知ってしまっている僕が彼女にどういう感情を抱いても不思議では無い。