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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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After Tragedy3~帰路~

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 僕は頭を抱えながら、デメテルを見た。
「あの人は反逆者で神様にたてつき、間に入った人間をかなり殺しているじゃないですか。」
「そうだねぇ。」
 デメテルはすっとぼけている。それがどうしたといった顔だ。
「終身刑を受けて、神殿の鉄の檻に厳重に入れられているはずですよね。何故、人間界にいるんですか。」
「私は、刑を軽くする権限があるから。私が申請して、ある程度同意が得られたから釈放が決まったの。」
 デメテルにとって、その判断は自信があるらしく、当然のことをしているだけだといったスタンスで話している。
「もう着くわよ。」
 デメテルが指差している家がキュオネが暮らし始める場所らしい。周りはこの地域には珍しく、柵がきちんと張り巡らされ、木で作られた家と物置小屋が立てられていた。柵の前に、女の人がキョロキョロ落ち着きがなく、歩き回っている。

 その女性はキュオネを見つけると表情が明るくなり、キュオネに一直線に駆け寄り、抱きついた。

 金髪を前髪ごと編み込み、上から麻布をだっぽり被り、その裾から僅かにパンツが見えている。動きやすさを重視した格好であり、ぱっと見た感じだけだと、男性とも勘違いできそうな骨格だった。僕よりも少なくとも筋肉が付いている。 彼女がキロなのだろうか。

「あー良かった。遅くて何かあったのか心配したよ〜。」
彼女は、キュオネをなかなか身体から離さなかった。
「キロ、心配させましたね。」
デメテルは、その女性に頭が上がらないといった様子で、苦笑いをして敬語で話しかけている。僕はデメテルが彼女をキロと呼んだので、改めてキロを見てみた。実際の年齢よりもずっと若く見える彼女は、随分と馴れ馴れしく自分を裁いたはずの審判の神であるデメテルに話しかけている。何故かデメテルのほうが気を使っている状態だ。