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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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After Tragedy2~僕とキュオネの出会い~

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「ごめんなさい。私は人間だから、魔法は使いたくない。」
 レーニスにそっくりなキュオネという女の子は困ったように首を振っている。
「キロを心配させないためにもお願い。私も多少は心配だから。」
 キュオネの連れの女性は、再度お願いをすると、キュオネは悩みながらもその布を受け取った。その瞬間、布は光り、勢いよく強い風が吹いた。

 僕は、その切り裂くような風の中にレーニスを思わせる懐かしい匂いを感じた。

「私がやったんだよね…。」
 キュオネは申し訳なさそうな声を出している。キュオネの連れの女性は、魔法で起きた風のせいで長い金色の髪が乱れ、苦笑いをしている。
「大丈夫。レーニスは力がなかったからそんなことにならなかったんだけど、ちょっと私も考えが足りなかったし…。」
 長髪の女の人はキュオネの肩をポンポンと叩いて、キュオネが魔法を使って風を吹かせた方向…僕の方を向いた。その後、顔が強張った。キュオネはその様子を見て、不思議そうにこっちを向いた。

 背格好しか見えなかったキュオネの顔がよく見えた。レーニスに似ていながらも、目は少し腫れぼったく、童顔である。彼女はそれなりに可愛い顔をしていたが、レーニスの顔を期待した僕の目には劣って見えてしまった。

 次の瞬間に僕はまずい事になったと気が付いた。さっきよりも断然に視界が開けてしまっている。僕の姿をかろうじて隠していた桜の花びらはすべて地面に落ちてしまい、僕と彼女らを遮るものは何もなくなっていた。

 それがキュオネと僕との出会いになった。