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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
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After Tragedy2~僕とキュオネの出会い~

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「ライ、危険だからやめてくれ!」
「絶対に嫌!!!」
 ライは更に上に登ろうとする。
 
「ライ、僕は永遠に帰らないわけじゃないんだから、落ち着いて。今のライの状態だと、僕はトイに申し訳なくて、帰れないよ。」
 僕がそういうとライは少しだけ、木に登ろうとするのをやめてくれた。
 いつだって、ライは僕の傍に居ようとしてくれた。そんなライの気持ちが嬉しかった。僕はライが好きだった…。でも、今はそれが悲しい。
「大丈夫、トイは君を幸せにしてくれるから。」
 ライはそれを聞くと泣き崩れた。

 僕が彼女から僕を奪う。一瞬にしてライと過ごした14年間が僕の頭に浮かんだ。ライがどれくらい僕を支えてくれたのか分からない。そんなライを僕が傷つけた。でも、いくらライが望んでも、僕はライの望みを聞けない。大人になった僕等の立ち位置はハッキリと分かれてしまった。ライは人妻で、僕は彼女の主人に雇われている立場だ。僕は自分が親に捨てられる原因となった青く透ける色素の薄い髪に手を当てる。こうなることなんて、ずっと分かっていたはずだ。僕がいくらライを好きでも無駄なんだ。

「私、トイと別れる!トイなら納得してくれるよ!トイが許可してくれたら他はいいじゃない!生まれてくる子にはユクスが父親だって教えればいいよ!」
 ライは、ごねた。僕は、ライの主人であり、幼馴染のトイの事を思うと申し訳ない気持ちになった。
「ライ、お願いだ。今日は帰れないから、家で休んで。僕もそのうち帰るから。」