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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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After Tragedy2~僕とキュオネの出会い~

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僕とキュオネの出会い3


「どうしたの?キュオネ。」
デメテルは、キュオネの様子が明らかにおかしいので、傍に歩いて行った。
「す…すみません!」
僕は慌てて、その後ろを追いかけた。その本にはシーの死に際の絵やレーニスが殺されたことに対する文献が載っていたので、デメテルの目に触れさせたくなかった。
僕の焦りも虚しく、先にキュオネからその本を回収したのはデメテルだった。デメテルは、その本の中身を見るとキュオネの背中に手を置いて、優しく摩った。キュオネの顔は青くなり、少しばかり震えているように見える。
「キュオネ…大丈夫だから。忘れていいから。」
デメテルはキュオネに諭すように語りかけている。そんな様子に僕は申し訳ない気持ちになった。
「ユクス…、この本は何?」
「すみません。」
 僕は散らばっていた残りの本を回収し始めた。キュオネが落ち着いたのを見計らって、デメテルはキュオネから離れて僕を見た。
「どうしてこんな本を沢山持っているの?」
「僕は、シー兄ちゃんが死んだ日から。シー兄ちゃんがレーニスを殺したんじゃないって、立証したくて、ずっとそうやって生きていきました。でも、全く見つからなくて…。」
「そっか…。」
 デメテルは一回空を眺めた後、僕とキュオネを交互に見て、黙った。
「だけど、僕はこのまま進みたくないんです。シー兄ちゃんがレーニスを殺したなんて、有り得ない。シー兄ちゃんはレーニスを絶対に愛していました。なのに、あんな扱いないです。」
 僕は十何年分の想いを口にしていた。今までの張りつめていた気持ちがどうしても抑えきれず、涙が少し滲んだ。こんな僕を見て、デメテルはどう感じているのだろうか。デメテルは、シー兄ちゃんのことをどう思っているか分からない。可愛がっていた娘のような存在だったレーニスを奪った人だと思っているかも知れない。
僕はデメテルの様子を伺おうとした。でも、デメテルよりも先に動いたのはキュオネだった。キュオネは、僕の手を握って、背中に手を回してくれた。僕は、初対面の女の子の意外な行動に驚いた。