カムイ
数カ月後、『手配書』は新しい物に取り換えられていた。似顔絵も描きかえられており、カムイを知る者が見ればカムイだと、認識できるほどのものになっていた。
その新しい手配書の前に立って、何度も念入りに見ては溜息をついている女性がいた。
そばを通りかかった鈴は、好奇心からその女性の横顔にそっと視線を走らせた途端、はっとして立ち止まり、思わず声をかけていた。
「もし、失礼ですが・・・もしや加代さん、とおっしゃるのではありませんか?」
「ええ、三宅加代と申しますが、どちらさ」と言いかけて、口に手を当てた加代は、まじまじと鈴を見つめ続ける。
お互いに視線をからませたまま、沈黙が流れた。
ようやく小声で、加代がつぶやいた。「似ている・・・若い頃のわたくしに・・・」
「あなたはどうして、わたくしのことを御存じなのですか?」
ふたりは視線を交わし合い、すべては静寂の底に沈んでいった。
加代の顔には、不審ととまどいの色が広がっていく。
どうして?