小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

カムイ

INDEX|42ページ/160ページ|

次のページ前のページ
 

「チニタ(夢)はどうしてる? 元気に、してるか」
 セタエチ(犬好き)はしゃくりあげながらカムイと目を合わせると、赤くした目からさらに涙をあふれさせ、小声で、途切れ途切れにつぶやいた。
「ハポ(かぁちゃん)・・・は・・・しんだ」
「!」
「シサムが・・・ころした」
「何があったんだ!? ま、とにかく小屋に入ろう・・・ひとりで、よくここまで来ることができたな、たいしたもんだ。ひとまずは、ゆっくり休め。腹もすいているだろう」

 泣きじゃくっていたセタエチは、水と食べ物を与えられて落ち着いてくると、そのまま眠りに落ちた。セタは、セタエチを守るのが仕事であるかのように、そばにうずくまっている。
 チニタがなぜ和人(シサム)に殺されたのか、コタンはどうなっているのかを早く知りたかったが、7歳(注:数え年)の子供が説明できるだろうか。
 コタンにすぐに戻ってみようと心に決め、文左衛門にセタエチを預けることにした。
 疲れと安心からぐっすりと眠っているセタエチを確認すると、文左衛門の小屋を訪れた。
作品名:カムイ 作家名:健忘真実