小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

カムイ

INDEX|139ページ/160ページ|

次のページ前のページ
 

 森の中では、ふたりの若者が焚火の番をしながら、あたりに注意を払っていた。
 ところが、他の者全員がまだ熟睡中に火矢を天幕に放たれ、炎はすぐにそれらを舐めつくし、燃え広がった。カムイも含めた誰もが、火の攻撃のことは考えていなかったのである。
 さらに、イトコイたちにとっては、森の入口で見張りをすることなど、考えもしなかったことだ。それほどに、争いには慣れていなかった。といっても、森の中では八方隙だらけなのではあるが。
 
「来た!」と叫びながら天幕を切り裂き、中にいる者を順次外に出している時に、その若者の背中は矢で撃ち抜かれた。
 外で寝ていた男たちは刀を取り、天幕を裂くことを優先させたが、矢は次々に飛んでくる。
 一帯は騒然となった。
 天幕から出ることが出来ず、折り重なって焼け死んだ女子供たち。飛んでくる矢に射られて、斃れた者たち。
 さらに盗賊が姿を現すと、生きている者を容赦なく、手当たりしだいに刀で切りつけていった。

 生かされて残っているのは、少女ひとり。刀を突き付けられている。
「お宝はどこに隠してある!?」
 少女は、恐怖で声を発することが出来ない。また言葉が分からないので、後ずさりしながら首を横に振り続けるばかり。
「おい、傷を付けるな、それも大事な商品だからよ」
 顔に大きな傷のある男が言った。
作品名:カムイ 作家名:健忘真実