カムイ
「味方か? それとも憎い私を、殺(や)りに来たのか?」
「あんたを憎いと思ったことなど、ない。いや、なんとも思っちゃいない。手助けが出来るなら、と思っただけだ。なんせあんたは、鈴の肉親だから、な」
雄作に続いてカムイも社長室に入っていくと、一緒にいた社員は雄作に、あっちいけ、と手を振られて別の部屋に向かった。
雄作は部屋の奥へまっすぐ進むと、
「フン! そら、受け取れ」と予備に置いている銃を、金庫から取り出して放り投げた。
カムイは、受け取った銃をすぐさま雄作に放り返して、部屋の隅に置かれている弓矢を目に留め、歩み寄って手にすると構えてみて、弦に指を掛けてはじいた。
「ちょうどいい具合だ。これを借りる」
雄作はそんなカムイを、顔をしかめて見つめていた。