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「……行ってやるか」




　ぽつりと呟いて振り返ると、自分の部屋へ駆け込む。



　何事かと再び出てきたペンペンが、見当たらない少女の姿にリビングで首を傾げる。



　廊下の先から聞こえてくる音に気付き、ぺたぺたとそちらへ向かう。



　と、その先で襖が勢いよく開かれ、服の裾を翻して少女が飛び出してきた。



　勢いよく突進してこられた挙句、頭上を飛び越えていかれて、ペンペンは腰を抜かしたようにその場に転がる。


　どたどたと廊下を走る音。


　圧縮空気の抜ける音。




　よろよろとペンペンが起き上がった時、部屋には雨の音だけが遠く響いていた。