The Evangelion -missing link-
「ありゃま、大変ねぇ」
様子を見ていたのか、アスカの後ろから声が上がり、キヨスクの女性店員がぱたぱたと出てくる。
「はい、これ使いなさい」
言いながらタオルを差し出してきた。
「あの、これ……」
戸惑いながらもシンジは反射的に受け取る。
少々恰幅がよくなってしまっているその女性は、にっこりと笑いながらぱたぱたと手を振った。
「大丈夫よ、それ綺麗だから。早くお嬢ちゃん拭いてやんなさいな。女の子は体冷やしちゃダメなのよ?」
「あ、ありがとうございます」
「いいえ、どういたしまして」
再びにっこりと微笑むと、女性は店の中に消え、レジから顔を出して「早く、早く」と手でシンジを促す。
その様子に苦笑を浮かべながらシンジは一度頭を下げ、アスカへ視線を落とした。
作品名:The Evangelion -missing link- 作家名:*咲神トト*