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「はぁ……」




もう一度深々と溜息を吐いた後、顔を上げて進行方向を見定める。




「……え？」




　ウォータースクリーンの向こうに浮かぶシルエット。



　手に傘らしきものを二本、赤と紺の物体を持っているようなのだが、何故かそれを使っていない。



　かといってレインコートを着ているような感じでもない。



　ずぶ濡れなのは間違いないが、俯いて歩くその足取りは遅く、諦めや落胆を感じさせる。



　それが自分の知る少女であると認識した瞬間にシンジは飛び出した。