The Evangelion -missing link-
すっと空を見上げる。
雨垂れ、等と言う控えめな表現など到底似合わない水流が、許容量を疾うの昔に超えてしまった雨樋から滝のように零れ落ちている。
夕方と言うには少々暗すぎる空に時々稲妻が走り、遠雷が轟く。
(夕立なんてレベルじゃなさそうだなぁ……)
キヨスクも駅傍のコンビニもビニール傘は売り切れていた。
傘をさしたところでどれほどの効果を上げる事ができるかは怪しく思える程の降り方ではあったが、ないよりは遥かにましである。
弱まるどころか、いっそう激しくなった気もする雨脚に、シンジは諦めて家まで走る覚悟を決めた。
握ったままの携帯電話を少し恨めしげに見つめる。
彼女が最初に『出なかった』と言う時点で可能性は無いに等しいと言う事は分かっていたのだけども。
作品名:The Evangelion -missing link- 作家名:*咲神トト*