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母から私 私から娘へと ~悲しみの連鎖~

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 ヤクルトの仕事にも随分慣れてきた頃、仲良くしていた同僚の一人から男性を紹介したいと言われた。その人はその同僚の旦那さんの、かつての職場の後輩だとかで現在彼女募集中の身らしい。次の日曜日に同僚の家で、お見合いまがいの顔合わせをすることになった。もちろん私に娘がいることも承知しているらしい。
 当日は菜緒と二人で、ヤクルトの配達に使っているバイク(原チャリ)に乗って出掛けた。それまでにも何度か遊びに行ったこともあるし、彼女のうちには男の子が二人いて、菜緒が行くと妹のように可愛いがってよく遊んでくれた。
 その日もちびっこお兄ちゃんたちは、待ち構えたように菜緒を二階に連れて行って遊んでくれた。私とその人と同僚夫婦の四人は、一階の居間でコーヒーを飲みながら談笑した。私に紹介されたその人は、印刷会社で働くサラリーマンで、歳は私より四つ上、物言いの柔らかい人だった。
 その日を境に私たちは付き合うようになり、一緒にあちこちへ遊びに行ったりした。もちろん菜緒も一緒だった。彼は菜緒をとても可愛がってくれたし、菜緒もとてもなついていた。私たちがお互い恋に落ちて、結婚するまではあっという間だった。
 そしてお互いの親に紹介し、親も了承していよいよ結婚する運びとなった。
 結婚式の当日、仲人は彼のお兄さん夫婦にお願いした。義理のお姉さんも、私と同じように子連れでお兄さんと再婚したとかで、私にとても良くしてくれた。
 結婚式の当日も私の手を握って、
「絶対に幸せになりんさいよう」と、心を込めて言ってくれた。
 結婚は二度目だったけど、こんな風に人を招いての結婚式は初めてだったから、私はとっても緊張した。最初は白のウェディングドレスを着て、お色直しでは色無垢を着たのだけれど、正直、ドレスを脱ぎたくなかった。まるで本物のお姫様になったような気分に酔いしれた。
 ドレス姿の私はとっても可愛くて、自分でもうっとりするほど幸せ色に輝いて見えた。それなのに……、一年も持たずにその結婚は終了してしまった。