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『3』の欠落

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高見沢は早速ネットで調べてみた。
するとどうだろうか、情報がわんさかと・・・・・・あるわあるわ。
この現代で、今大きな社会現象になっているようだ。

そして、わかった。
なくした数字を取り戻すためには、まずは『お数字地蔵さんに詣れ』と!

さらに秘密情報としては、「数字欠落を他人に譲りたいのであれば、宇宙から舞い落ちてきた数字葉っぱを、気に食わないヤツに煎じて飲ませてやれば良い」とあった。

高見沢はなるほどと頷いたが、納得してる場合じゃない。もう背に腹は変えられない。『3』のすべてが欠落してしまえば、メッチャ不便だ。

翌日、高見沢は急遽休暇を取り、お数字地蔵さんに詣るため出勤時間と同じに、そそくさとアパートを出た。

その甲斐あってか午前十時前には到着した。
しかし、驚いた。実に賑わっている。
世の中、数字をなくしてしまった人たち、なんと多いことか。

『1』をなくした男性、決して社長になれないと嘆いていた。
また『2』が消えてしまったレディ、二重まぶたが一重になってしまったと目をパンパンに腫らしていた。


作品名:『3』の欠落 作家名:鮎風 遊