小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

1977年のカーラジオ

INDEX|4ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 


バイトの帰り、ビートルのカーラジオからビリージョエルの「素顔のままで」が
流れてきた。ニューヨークの香りがする都会的なラブソングだった。

Just the Way You Are

君にはいつだって
いままで通り そのままの君でいてほしい
僕が君を信じるように
僕を信じてほしい

愛してる ずっと・・・
心から誓う
これ以上深くは愛せないくらいに
そのままの君を愛してる

凄く感動した。
ちいに聞かせたいと思った。
「ねえ、『素顔のままで』という歌知ってる?」
「知らない」
「すごくいいんだ。録音して聞かせてあげるね」



 僕はその日、カセットテープデッキを持ち出し、ラジオから流れてくるのを待った。
ちいが先に寝るねと言った後にも、ずっとその曲が流れてくるのを待った。
秋の少し冷たくなった空気が僕達ベッドのまわりを囲み、二人包まった毛布が
温かくて気持ちよかった。寒い地球上でも僕達二人さえいれば、温かく生きていけると思った。ちいの温もりにうとうとしながら、あの曲を待った。
そして、ようやく予想通りラジオから流れてきた。カセットの録音ボタンを押す。


Don't go changing, to try and please me
You never let me down before
Don't imagine you're too familiar
And I don't see you anymore

I wouldn't leave you in times of trouble
We never could have come this far
I took the good times, I'll take the bad times
I'll take you just the way you are


ちいの寝息を聞きながら、録音した安心感で僕も寝入ってしまった。
次の朝が楽しみだった。