紗の心
その人の時々するお勉強とネットで見た着付けの方法で確かにこうすれば・・と。
帯をとくのは、結構手間だ。
おはしょりといわれる丈をダブらせた布の陰の腰紐をほどく。
(少し帯を浮き上がらせれば指に掛かる)
浴衣程度であれば、前の衿をしっかり掴んで帯から引き抜くようにすれば衿は充分に開く。
(おそらくコーリンベルトというゴムで衿前は整えていることが多いらしい)
その人の浴衣の帯をとかぬまま その素肌を露わにさせた。
「佐伯さんたら、こんなこと」
「紗希が教えてくれたことだよ。好きだよ」
私はその胸に顔をつけた。そのまま首筋へと唇が触れる。
スカートのように広がる裾から白い太腿が覗く。
滑らかなその肌に指先を滑らせる。
「くすぐったい」
「感じて」
「わからない」
「私のに触って」
その手は躊躇していた。
もしかすると、あの男には触れたことがないのかもしれないと思った。
「・・温かい」
「そう」
その人の感想は、色気を感じるものではなかったが、私のモノはその手の温もりと
柔らかさに心地よさを感じていた。
「紗希、脱いでみてもいいよ。ごめん、さっきはあんなこと言ってしまったけど見たいな」
「急に飛びついたりしない?」
「さあ、それはわからない」
その人の口元に笑みが戻って来た。
片手で後ろで結んである帯の部分を前へとずらした。
そのまま片手で引き抜きほどいていった。
シュルシュルと音を立てながらあっと言う間にほどき、ソファーの横へと落とされた。
私がすでに腰紐をほどいていたせいで、帯が無くなると浴衣は、ひらりとした布になってその人に掛かっているだけとなった。
「飛びつく?それとも、そんな魅力はない?」
私は、飛びつけなかった。どう手を出していいかと考える前に少し眺めていたかった。
私は、自ら上半身の衣服を脱いだ。
「好きだよ、紗希」
「うん、嬉しい」
「どうして欲しい?」
「んー佐伯さんも脱いじゃえばいい」
可愛い笑顔だ。