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遠距離恋愛のその先は…

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 雅也は24歳、優美は21歳。二人は共に東京に住んでいて、付き合い始めてからは週に二回はデートしていた。
 ところが優美が短大を卒業して就職したその年、雅也は仕事の都合で岡山に転勤になってしまった。
 もちろんそれは二人にとっては悲しい現実だったけれど、だからといってそのせいで別れることにはならないと、その時の二人は信じていた。
 だがしかし、岡山での雅也の仕事は思っていた以上に繁忙を極め、毎日だった優美との電話やメールのやり取りも、3日に一度が週に一度となり、ついには月に一度となってしまった。
 さすがに優美は、雅也に他に女ができたんじゃないかと疑った。そのせいで優美からのメールは頻度を増し、返事がないと、時間構わずに電話を入れた。
 最初の内こそ雅也は電話に出て、返事ができなかったことを詫びたが、それが度重なると、次第に優美の存在を重いと感じるようになった。そしてそれからは、優美から電話があってもわざと出なかったりした。
 優美の不安や焦りが徐々に大きくなって、切なさに潰されそうになった頃、雅也から一通のメールが届いた。それには一言だけ「もう疲れたよ」と書かれてあった。


 カフェで置いてきぼりにされてからの一年、優美は雅也を想って、逢いたくて逢いたくて涙が零れて眠れない夜もあったし、またある時は、もう雅也のことを考えるのはやめよう。どうせ元には戻りっこないのだから……と自分に言い聞かせ、深いため息をつくこともあった。けれどそのどちらも考えなかったことはなかった。

 人は失って初めてその大切さに気付くことが多いと言われるが、それは大抵『後悔』という言葉で締められてしまう。