小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

有明バッティングセンター【前編】

INDEX|49ページ/123ページ|

次のページ前のページ
 

指名が進んで行き、実業団野球のエースやら、大学、高校野球の有名選手が次々と
モニターに名を連ねていった。早朝からの悪戦苦闘とその後のビールの酔いが手伝
ってか、俺は半ばうとうとしながらこの様子を見ていた。

阪神ライダーズの指名順番が巡ってきた。

「一巡目、阪神ライダーズ、保坂直樹、投手、GL学園高校」

アナウンスが会場に響き、保坂直樹の顔写真がモニターに映し出された。

(おっと、浩二残念!! やっぱり華のある投手を指名するよなぁ。)

阪神入団希望の浩二は二巡目以降に望みを繋ぐ事となった。
次に東京フライヤーズの指名順番だ。

(安っさん、最後の花道にどんな奴を引っ張って来たんだろう。「お楽しみに」
なんて言っていたが、あの酔いどれ親父、どうせろくな奴を指名しないだろう。
なにせ、あらかたの有名処は既にほとんどの球団で指名されたからなぁ。指名が
かち合っても、フライヤーズ監督の原口はくじ運の弱さは有名だし、どうせ取れ
ねぇんだろうなぁ。)

横になり、3缶目の缶ビールを飲みながらうとうととそんなことを考えていた。

「一巡目、東京フライヤーズ、有明一郎、DH、有明バッティングセンター」

アナウンスが会場に響いた。

(へっ?)

俺は耳を疑った。今、俺の名前が呼ばれた様な気がしたからだ。
眠い目をこじ開け、テレビの画面を見ると、そこにはなんと自分の顔写真がで
かでかと映し出されているではないか?

(へっ? どういうこと?)