小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

有明バッティングセンター【前編】

INDEX|43ページ/123ページ|

次のページ前のページ
 

「安田さんって、あの安田さんだったんですか、ぜんぜん分かりませんでしたよ。
大変失礼しました。」

「いやいや、一郎君、僕も最初は気が付かなかったよ。君のバッティングフォーム
を見て気が付いたんだが、君はもう私の事なんか忘れてしまっていると思ってね、
あえて言わなかったのだよ。」

と、照れくさそうに安田。

「そんな事より一郎君、いや、有明コーチ、優勝おめでとう。最終イニング、見事
な采配でしたね。」

「いやー、それ程でも・・・」

まんざらでもない。

「ねぇ、安田さん、1校の安藤君、いい感じじゃない? スター性もありそうだし、
看板選手がFA宣言しちゃったフライヤーズにはちょうどいい人材だと思うんだけ
ど・・・」

「よせよ、姉貴、健太は大学進学希望だぜ、今後4年間は大学野球を盛り上げる
人材だよ。」

そう、安藤健太は複数の球団から入団のオファーを受けていたにもかかわらず、
大学進学を決意していたのであった。

「恭子ちゃん、僕はね、今回の大会でとても興味を持った選手がいるんだよ。
今は目立たないけど、将来必ずフライヤーズを背負って立つ選手になると確信
しているんだ。」

「え? 誰なの? 教えてよ安田さん。私の番組で大々的に特番組ませてもらう
わよ!」

恭子が色めきたって食いついた。

「それはまだ言えないな。ごめんね恭子ちゃん。」

「そんなぁ。教えてよぅ、英兄ちゃーん。」

今後は色仕掛けかよ。にあわねぇんだっつーの。