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有明バッティングセンター【前編】

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「社長、僕がナミコさんに提案書を出したんっす。そうしたら、社長が乗り気に
なってくれまして、今日、計画の詳細を詰めましょうという事になったんっすよ。」

と、浩二がうれしそうに話した。浩二は、バッティングセンターに次世代のバッ
ティングマシンを導入しようと考えていた。そのマシンとは、3D映像を映し出
すゴーグルを身につけ、加速度センサーが埋め込まれたバットを構え、3D映像
のプロ野球ピッチャーが投球する球を打つことにより、コンピュータがタイミン
グ・角度を計算し、映像の打球を飛ばすというものだ。

ピッチャーは、日本プロ野球や、大リーグから選ぶ事ができ、本物さながらに投
球を行う。このマシンの開発をナミコジャパンに提案していたのだった。さらに
彼は、ビジネスモデルも考案していた。「有明バッティングセンター」をフラン
チャイズ化し、契約したバッティングセンターには、このマシンの購入権を与え
るというものだ。

マシンはインターネットに接続され、打撃データはナミコのサーバに集約される。
フランチャイズ契約したセンターはマシンの使用料を一般のお客さんから徴収し、
有明バッティングセンターはフランチャイズ契約料と、ソフトウェア使用料の一
部を、ナミコジャパンはマシンの販売費用とサーバの使用料をそれぞれの収益に
充てるというとてつもないコンソーシアム計画が俺の知らぬ間に代理人である浩
二と、ナミコジャパンの間で進められていたのだ。

(こいつもある意味、超高校級だな。)

俺は感心して、熱心に説明する浩二の顔を見つめた。

「それで、打撃の年間成績が1位の人には、プロ野球DHへの挑戦権を与えると
いうサプライズも企画したら、爆発的に普及するっすよ、きっと。」

(あーあ、やっぱり子供だな。どうやってプロに挑戦させんだよ。そんな権利な
いじゃんか。)

「あのねぇ、浩二・・・」

おれが、痛いところを突っ込もうと、浩二に話しかけた時、管理室のドアが空き、
一人の男が入ってきた。