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告 白 (ひとり京都へ)

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そんなある日のことです。
朝、見知らぬ人の突然の訪問を受けました。
玄関に出た私に、その人は言い辛そうに下を向いてこう言いました。
「拓明くんが、自殺しました」
私は一瞬何を言っているのだろうと思いました。
「どういうことですか?」
拓明とはその数日後にデートの約束をしていたし、その少し前には連絡も取り合っていましたから、いきなりそんなことを言われても俄かには信じられません。というより、私の脳みそはその言葉を受け付けようとしなかったのです。
「自殺って……で、彼の具合はどうなんですか?」
私の言葉に、相手はかなり戸惑っているようでした。
『自殺』=『死』だとは到底認められなかった私は、最初に「……自殺しました」という言葉を聞いた時点で、すでに脳みそはパニック状態になっていたのでしょう。
「ですから……自殺したんです。これから通夜と葬儀をあげますので、一緒に来てもらえますか?」
私の頭の中でその人の言葉がぐるぐる回り、ようやく私の脳みそが彼の『死』を理解したと同時に、私は自宅の玄関で、見知らぬ人の前でいきなり泣き叫んだのです。
まるで狂ったように……。

突然の激しい泣き声に、台所に居た父が玄関に飛んできました。
「どうした?!」
父は驚きと戸惑いで、オロオロと私と見知らぬ来客の顔を見比べていたようです。
「拓明が……拓明がぁーー!!」
私にはそれしか言葉が出ませんでした。
さすがに見かねた来客が、父に拓明が自殺したこと、これから通夜と葬儀をするので私に来て欲しいということを簡潔に説明したのです。
突然のことに驚きながらも事情を理解した父は、私に喪服代わりの黒い洋服を着させ、拓明の家に行くようにと促しました。