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漢字一文字の旅  二巻  第一章より

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九の三  【長】



【長】は象形で、長髪の人を横から見た形だとか。
なるほど、そのように見える。

だが、ここで不思議なのは、
長髪の人は老人であり、氏族の指導者、だから「たっとぶ、かしら」の意味になったのだと言う。

えっ、老人は長髪?
普通ははげ頭じゃないか!

多分、これは中国での解釈。
そう言えば、中国でははげ頭の人は見ない。
年老いても髪はふさふさ、長髪となるようだ。

日出ずる大和の国では決して生まれない漢字なのかも知れない。

こんな【長】、人は小学校の「級長」から始まり、大人になれば「係長」に「課長」、そして「部長」、挙げ句に「社長」と、とにかく【長】を欲しがる。

しかし、八百【長】だけは御免こうむりたい。
スポーツ界、過去いろいろな八百長があった。
八百長試合だけは見たくない。

だが最近のことだ。
国際サッカー連盟(FIFA)の会長が「スポーツに不正行為は常に存在する。それを防止するのは無理」と発言した。
これには耳を疑った。
無理と諦めて、どうするんだ! と叫びたくなる。

そんな「八百長」、元はと言えば、
明治時代、長兵衛という男が「八百長」という相撲茶屋を開いていた。
そこへ大相撲年寄の伊勢の梅が碁を打ちに通ってきていた。
長兵衛は勝てる腕があったが、伊勢の梅が喜んで来てくれるようにといつも負けていたのだ。

しかし、なぜばれてしまったのだろうか。
後日、碁会所開きに招かれた長兵衛、本因坊と互角に戦った。そして、その腕前が知れ渡ってしまい、ばれたとか。

こんな話しなら、まだ笑って済ませられるが……。

いずれにしても【長】、八百長より、社長より……長髪が欲しい!