アイラブ桐生 51~53
なかには情緒たっぷりのものもありますが、
大概が上品とはいえない代物で、これに舞をふりつけて、
その場で即興で踊ります。
その舞も、実にエロティックで公表をはばかられるものばかりです・・・・
若い芸妓さんや子供みたいな舞妓さんまで、
面白がってこんな舞いを舞っているのですから、
見ているほうも、思わず何やらおかしな気分になります。
個人的には、やはり(年配の)お姉さんがたに
風情たっぷりに、かつ妖艶に、舞ってもらった方が、
しっくりときくるようです(笑)。
<実例をひとつ、紹介をします>
「○×ちゃん、あんた恥ずかしないのん。
あんな舞を舞うても?」
「いや、べつにどうってことないわ。
それよかええ年したお客さんらがはしゃいでんの見てるほうが、
よっぽど面白い」
「歌詞の意味わかってんのん?」
「ん~。ようわからんとこもあるけど・・・・
大体は分かるえ~」
おそるべし・・・・17歳の舞妓です!
例えば、こんな唄がうたわれています。
♪~狸寝入りに手探りされて、起きてる倅の間の悪さ~
♪~たたむ寝間着の襟元に、一筋からむこぼれ髪、
帰してやるんじゃネェなかったに
含む未練の夜の盃~
本来の舞や芸事とは異なりますが、お茶屋さんの2階では
こんな風に、くだけた裏芸なども披露がされて、
宴席に華を添えているようです。
大人の座興といえばそれまでですが、こうした余興もまた、
粋な大人の遊びのひとつとしての祇園では、
ひそやかに受け継がれてきました。
作品名:アイラブ桐生 51~53 作家名:落合順平