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てっしゅう
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「哀の川」 第三十二話

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由佳は合宿を前に最後の調整を部員たちと考えていた。来月の初めに出かけて帰ってきたら、神戸から戻ってきている純一と逢えることが楽しみだった。部活の無い夏休みに中に旅行へも行きたいと考えていた。水曜日のいつものジャズダンスが終わって、麻子とカフェでケーキを食べていた。

「おば様、純一さんいつから帰って来ると言ってました?」
「八月に入ってから、連絡するとしか聞いていないわよ。どうしたの?」
「ええ、部活がお盆前からなくなるので、出来たら純一さんと旅行したいなあって・・・考えているんです」
「そうなの!北海道なんて良いわよ。そうしなさいよ、私が手配してあげるから・・・ね?」
「はい、嬉しいです。実は、母も連れて行ってあげたいって・・・最近何処へも行っていませんし、たまにはいいかって・・・」
「それはいい事ね。賛成よ。お母様にも純一を良く知っていただけるし、いい機会だわ。任せて、費用も全部私が出すから、心配しないでいいのよ」
「おば様、それでは母も気兼ねします。お気遣いは嬉しいですが、何とか私のバイト代で賄えると思いますから」
「由佳さん、それじゃ、夏休みに入ったら部活の無い日はアルバイトに来なさい。助かるでしょ?他のところよりいい時間給出すから、ね?」
「はい、それなら喜んで・・・伺います」

由佳の母親潤子は、旅行の話を快く受けてくれた。久しぶりで母子で出かけられることが嬉しかった。純一と由佳が仲良く出来るように、自分は別の部屋を取ると由佳に話した。恥ずかしそうに母の顔を見て、ありがとう、と答えた。母はすべて理解してくれている。女として麻子と同様一番の相談相手になれる存在であった。

合宿から帰ってきて、麻子の会社にアルバイトに行くと、純一が帰ってきていた。合宿には携帯を持って行かなかったから、連絡が着かなかったのだろう。久しぶりに顔を見てホッとした由佳だった。