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スペースコロニーの謎の殺人鬼

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私は疑われている!コロニー乗員264名、ロボット435体が登録



 もっとも怪しくない人物ほど怪しい。私は脳にマイクロマシーンを埋め込まれている。瞬時に必要な情報を検索できる。知識が豊富である。他のコロニーに住む人と考えただけで連絡できるが、私たち宇宙を放浪するものたちのスペースコロニーは火星と金星との間に数十機しかない。他のコロニーの人と連絡して返事が来るのに、光の速度と同じなので、1時間半もかかることもある。

「最近、謎の殺傷事件が起きています。コロニーの人たちは怖がって自分が住んでいる個室から一歩も出ません。すでに35人もの人が何者かに鋭利な刃物で切りつけられて殺されました。エミリー、きみは脱出ポットに逃げたのは事実なんだね。あとでポットの自動記録装置を改ざんしなかったか。記憶を改ざんするのは電脳化したエミリーにとって簡単だから」

 私は人など殺せない。宇宙空間にはわずかな生命しか存在しない。地球にいるとき以上に、生命の尊さを強く感じている。

「私はエミリーが人殺しをするような女の子だと思えません」
天才宇宙物理学者のナオミが、エミリーを弁護した。

「で、謎なのは地球から来た救助艇が、我々のコロニーにドッキングするとき、いきなり逆噴射したのは何だね?」
「私にはわかりません」
「エミリー、君が最もあやしい。プログラム作成の達人だから」
エミリーはそれを聞いて気を悪くして、強い口調で反論した。
「それなら、あなたがたも脳にマイクロマシンを入れてください。注射器で入れるだけですから特別な手術は必要ないです!」
「とにかく、君が最も危ない」
エミリーは自分が住む個室にしばらく出歩くことが禁じられた。たのしい学校に行けないので、個室でタブレット端末を使って学校の先生と通話しながら勉強をつづけた。