スペースコロニーの謎の殺人鬼
火星儀を見て
私、エミリーは、このスペースコロニーに産まれた。現在17歳、女子高生。人口300人の小型スペースコロニーは出世率が低いため、中学と高校も同じ教室で授業を受ける。
「みなさん、これが火星儀です。私たちのコロニーは大規模コロニーとの合体を拒否し新天地・火星を目指します」
私の身長は175センチでブロンドの髪に青い目をしている。天才少女のナオミは、アジア系の顔で髪が黒く瞳は茶色。身長が低い。165センチくらい。彼女の知能指数は200。運動とか美術以外では私よりも優れている。
このスペースコロニーは木星へ人類を送るために製造された宇宙船だった。数年間にわたる宇宙飛行のために広大な空間が必要だが、100年前に小型スペースコロニーに改造された。
外見は映画「2001年宇宙の旅」にでてくる回転式宇宙ステーションと同じ。宇宙放射線から守るため周囲は水槽に覆われている。
他のコロニーからの人たちから見ると水族館の中にいる気分になる。床(外側)と壁側に水槽があり、その中に魚たちが泳いでいる。だから魚や貝類などが主食である。私は哺乳動物の肉を食べたことはない。そもそも豚や牛を殺して食べることなど残酷だと思う。
「火星は400年前まで人類が開拓しましたが、極端な少子化のため火星都市は過疎化し、現在は誰も住んでいません。多くの過去の遺跡があります。それを利用します」
「先生、火星に水はありますか?」
「21世紀の無人探査機により、わずかながら火星にも水があることが発見されました。わたしたち300人分なら十分まかなえます」
「長期的な視野だと」
黒い肌の女性教師は笑顔で答えた。将来に希望を持っているから。
「まず私たちは火星の水を採掘します。火星都市の跡地に農場を建設し、小麦や米を生産します。将来的には他のコロニーの人たちを招き、火星は人類の第二の古里とになります。火星もいずれ水資源が枯渇しますが、そうなる前に火星に残されたスペースプレーンを改造し、木星の衛星から水を供給します」
私は質問した。
「そうなると火星が第二の地球になるのですか?」
「火星テラフォーミング計画を行えば10万年後には宇宙服なしで外出できます。歩みは遅いかも知れませんが、いづれ火星は地球と同じ惑星になる日が来ると思います。私たちが人類の歴史をやり直すのです。愚かな歴史を繰り返さないように地球の歴史を学びましょう」
みんなは先生の話を聴いて拍手した。
「では世界共通語の勉強をしましょう。上級生は下級生に教えるように」
「はい」
私たちの学校は60人しかいない。6歳から18歳まで同じ学校に通っている。
私は火星に文明社会が作られることに期待する。地球を死の星にした王族(官僚・経団連)がいない世界にして欲しい。
作品名:スペースコロニーの謎の殺人鬼 作家名:ぽめ