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スペースコロニーの謎の殺人鬼

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死の惑星・地球。灼熱地獄になる



 エミリーが住むコロニーは、地球の重力に引っぱられ加速した。コロニー内に地震が起きた。加速した時の衝撃である。
観測チームは地球の気温を計測した。
「気温80度、赤道では100度を超えている」
「放射能汚染により海に住むプランクトンが大量死したため酸素を供給できなくなった。温暖化により大量の水蒸気が発生し、水素が宇宙へと逃げ出した。金星と同じ現象である」
「そうゆうことだと、もう二度と我々は地球の地に降りることはできないのですか」
「悲しいけど、その現実を受け入れるしかない」
地球は厚い雲に覆われている。海も陸地も見えない。金星に似た惑星になってしまった。

 エミリーとナオミはサバイバル・カンファレンスに参加した。
「我々は今、深刻な水不足に陥っている。木星の衛星にたどり着ければ、大量の水が手に入れられるが、あまりにも遠すぎる」
「先ほどの地球と金星の重力を使ったスイングバイ技術を使ったらどうですか?」
「地球と金星の重力を利用した方法でも木星まで5年かかる。それまでに我々のコロニーの水がなくなってしまう」
「では100万人が住む巨大コロニーに合併することで生き残るしかないのでは」
「向こうも同じ問題を抱えている。月面基地を再生させ、定期的に木星の衛星から水を得るしかない」
「でも、我々の力では月面基地を再生させるのも木星の衛星に行くのと同じくらいの時間がかかる」
「では月面の南極の氷を利用するのは」
「バカだな・・・。既に数百年前に枯渇した」
「火星に移住するのは」
「確かに火星の極冠に行けば水が手に入るかも知れない。と言うことは、火星に移住するしかない」

「ねえナオミ、私たち火星に移住するの」
「そうみたい。このコロニーの軌道計算をして再度、地球の重力を利用する。火星の大気をブレーキにして火星の周回軌道に乗せる。降下シャトルで火星の表面に着陸する。だけど失敗は許されない。どんなことをしても私たちは火星で生き残らないといけないから」
「とてもむずかしい問題だわ」
「やるしかないでしょう」

 約300人が暮らすスペースコロニーを火星の周回軌道に送ることが決定された。失敗は許されない。新天地、火星を私たちは目指す。