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てっしゅう
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「哀の川」 第二十九話

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直樹はヤナセに注文していた車を引き取りに出かけた。麻子が乗っているゴルフの黒いやつだ。純一と相談して決めたから、お気に入りなのであるが、事故には気をつけて欲しいと願いながら、神戸への引き渡しに出発した。4月5日の土曜日朝早くに三人を乗せたゴルフは東名高速を西へと走り出していた。なれた運転で麻子は飛ばしていた。由佳は初めて乗る高速道路に感激していた。車って素晴らしい乗り物だと改めて感じた。今年18になったらすぐに免許を取ろうと、直樹たちに話していた。麻子は、免許取ったら私のゴルフ貸してあげると言ってくれた。その日を楽しみに、「一緒にドライブに行きましょうね」と返事を返した。

遅い朝ごはんを足柄サービスエリアで済ませて、休憩した後、直樹の運転で再び高速を走らせた。麻子と由佳はいろんなことをおしゃべりしていた。その光景は本当の親子のように受け取れる微笑ましいものに直樹には感じられた。

純一の携帯に麻子から電話が掛かってきた。
「もしもし、ああ、母さん。今どのあたりなの?」ママから母さんに言葉が変わっていた。ママでは友人に笑われるからである。
「京都を過ぎたぐらいよ。あと一時間ぐらいで西宮インターに着くかしら。降りたら道がわからないから、おじいちゃんに迎えに来てって、頼んでくれる?」
「うん、そうするよ。あと少ししたらインターまで僕たちも出かけるから」
「わかった、じゃあ待っててね」