宇宙列車 私の夏休み
行方不明になった2人への不安
ホテルに入った私たち3人は、行方不明になった2人のことが気がかりだった。
「南先生、一人で大丈夫なの?」
「わからないわ」
「それよりも、あまりの暑さで下着が汗でびしょびしょ」
「順番でシャワー浴びましょう」
私たちは、長ズボンに長袖の制服を脱ぎ、順番にシャワーを浴びた。
部屋の中の服装は自由。薄着になった。
「ねえ、行方不明になった2人に連絡しない」
「私、携帯電話で連絡するわ」
私も連絡したが繋がらない。
エアコンで部屋が涼しくなった。
タブレット端末を使って勉強をする。
「私、2人のことが心配で集中できないわ」
「南先生と相談しよう」
私は南先生に連絡した。
「先生、2人の行方はどうなのですか?」
「それが、さっぱりわからないの。今、モルジブ警察が捜しているわ」
タブレット端末に映るテレビを観ると、行方不明になった2人の捜索願いのニュースが流れた。
日本語放送もある。
「午後2時、日本から来た女子中学生2名が行方不明になりました。顔写真を今、映し出します。見かけたらモルジブ警察署に知らせてください」
私と同じ名前の美沙が言った。
「人口800万人も住む人工島よ。マフィアに誘拐されたら見つからないわ。いますぐにキャンセルしも、旅費は戻らない。明日の午後3時に宇宙列車が出発するから」
「ねえミー(佐伯美沙のこと)。もし2人が見つかっても宇宙にいけないし、宇宙旅行の旅費は払わないといけないのよ。だから、親御さんは、とても悲しむわ。私たち6年間の学費よりも高いから」
佐伯美沙は答えた。
「私たちが、ちゃんと見張っていれば良かったのに・・・」
「ねえ、自分の事を責めないで」
それから数時間後、私たちの部屋に夕食が届けられた。
作品名:宇宙列車 私の夏休み 作家名:ぽめ