小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

宇宙列車 私の夏休み

INDEX|2ページ/22ページ|

次のページ前のページ
 

モルジブ・シティ



「まぶしい・・・」
 海の上に太陽の光に反射された、とても広大な太陽電池が飛行機の窓から見える。
「もうじきモルジブ・シティだわ」
「そう。私たち宇宙に行くのね」
「ワクワクするわ」
私、佐々木美沙12歳、学院生1年。卒業したらアイドルになって、世界中の人たちに夢を与えたい。過去の歴史は良くわからないが、数十年前に宇宙エレベーターが完成した。
「まもなく空港に到着します。シートベルトをしてください」
スチュワーデスのアナウスがあった。

 
 引率の担任の先生である南先生の指示があった。
「みなさん、モルジブは日本と文化が違います。ちゃんと帽子を被ってください」

 私たちの服装は、赤道直下でも長ズボンに長袖のスーツである。そして飛行機は空港に到着した。私たちの学校から宇宙旅行の希望者21名が参加した。
「すごく暑いわ。日差しがまぶしい」
長袖に長ズボンの服装は暑いが、強い日差しから肌を守ってくれる。
「それでは一泊するホテルへのバスが、もうじき来ます」
「はあ・・・暑いわ。それに男の人たちが私たちを、じろじろ見ている」
「20人もの女学生が、かたまっているから」
みんなワイワイ騒ぎながらバスがくるのを待った。私の身体から多くの汗が流れた。

 それから1時間、いつまでたってもバスが来ない。
「みなさん、勝手な行動をしないようにして下さい。ちゃんと20名いますか」
「私、数えます」
私はみんながいるのか確認した。2人、いつのまにかいなくなった。
「南先生!2人いません」
「たっく、何なのよ!日本とは文化、習慣が違うし治安も良くないのに」
 いなくなった2人の携帯電話に繋がらない。

「どうしよう。まさか誘拐されたかも知れない。こんなことなら宇宙旅行を取りやめたら良かったのに・・・」
南先生は42歳独身だけど、見た目は20代前半に見える。長い髪を帽子の中に入れている。南先生の表情が暗い。

 帽子を被った私たちは、直射日光から顔を守ってくれる。でも、とても暑い。その時、70分遅れてホテル行きのバスが来た。
「南先生。バスが来ました」
「佐々木さん。寮と同じ部屋の田中さんと佐伯さんと一緒に行動して。3人で他の16人を管理して。それから宇宙に行かないけど、この旅行を副顧問の石川先生の指示に従って」
「はい。わかりました」

 私は、突然になくなった二人が気になった。副顧問の石川先生は宇宙に行かない。21名がちゃんと宇宙に行けるのか気になる。

 南先生はバス停で一人になり、大使館に連絡した。
「もしもし日本大使館ですか?私は西東京にある関東女学院の教師をしている南です。モルジブ空港のバス停で、突然、二人の女の子がいなくなりました」
「南さん。この場所にしばらく待ってください。私たちが迎えに行き、モルジブ・シティの警察に知らせますから」
「はい、わかりました。お願いします」


 赤道直下のモルジブ。灼熱の島。100もの国々が宇宙エレベーター建造プロジェクトに参加した。1日3600人を宇宙に送っている。

 空を見渡すと、雲のはるかかなたまで宇宙エレベーターが見える。いなくなった二人の学院生の安否が気になる。



作品名:宇宙列車 私の夏休み 作家名:ぽめ