宇宙列車 私の夏休み
放射線防御服を着て
4日目、私たち3人は南先生の指示に従って、宇宙放射線を防ぐ服を着た。
「次第に地球からの重力が弱くなったわ。身体が軽くなって」
テーブルにある食器を落とすと、ゆっくり落ちていく。
「おもしろい!火星の重力と同じくらいになったのね」
私たちの身体は軽くなる。でも、徐々にそれに慣れてしまう。
そして宇宙放射線防御服を着ると、ずっしりした重さを感じる。
「なんだか歯医者さんで使うレントゲン撮影に使う服みたい。それを大きくしたものだわ」
「南先生、この服は何キロあるのですか?」
テレビモニターを通して南先生と会話した。
「約25キログラムはあります。あなたたち未婚の女の子が、将来、結婚して子どもを産む時、奇形児が産まれないためと、それから放射線の影響されてガンにならないためです」
私たちは、タンクトップとホットパンツの軽装の上に、長袖の放射線防御服をきた。
外を見ると、地球がかなり小さく見えるようになった。
「それでは、明日からは列車内を自由に移動できます。あなたたちとモニター越しで話さなくてもすみます。それでは、明日、お会いすることを楽しみにしています」
明日から、この列車内を自由にいろんな客室に訪問できる。なんだか開放感を感じた。
作品名:宇宙列車 私の夏休み 作家名:ぽめ