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宇宙列車 私の夏休み

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宇宙エレベーターの歴史を学んで。建設費は7500兆円



 同じ個室にいる3人は、さまざまな考え方をしている。私はノンポリで、漠然とアイドルになりたいだけなので政治について興味ない。でも、体制支持者で大金持ちのお嬢さまである多惠は、共産主義こそ人類を幸せにする唯一の手段と確信しているが、美沙は世界共産主義社会に対して疑問を持っている。

 宇宙エレベーター建設費は7500兆円ものお金が使われた。静止軌道に建設資材を送るために1960年代から1972年に使われたサターンV型ロケットを使った。
 一人でも多くの人を宇宙に送るためには、宇宙エレベーターのほうが効率が良い。数万年後まで使い続ければ、完全に元が取れる。

 モニター画面から担任の南先生の顔が映った。
「23世紀に生きる私たちのために、宇宙エレベーターの完成を見ずに亡くなった人たちは、数百万人います。宇宙エレベーターのためだけで一生を捧げました」
「先生、疑問に思います。サターンロケットを1000回打ち上げれば、月面に最低でも15000トンの資材を地球からもちこめるのではないですか。そうすれば、月面基地が早く簡単に作れるのではないですか。もっと安上がりですむのはないでしょうか?」
「地球環境の今後、数百万年先を考えれば宇宙エレベーターのほうが環境に優しいです。この80年間にサターンV型ロケットと全く同じロケットを1920回打ち上げました。ほとんどが静止軌道都市の資材に使われました。またカーボンナノチューブを地上に吊したり、上空10万キロにも、ひもをつるさないとバランスがとれません。はじめは小さなゴンドラを使いました。最速で7日かけて静止軌道に到着しました。そのため80年も時間がかかりました」
「でも、さまざまな国の人たちが集まると、建設途中で喧嘩などはなかったですか?」
「違った習慣や文化をお互いに尊重しなければ、宇宙エレベーターは完成しません。だから宇宙エレベーターを建設をする人たちは、熱狂的な宗教信者、特に原理主義者だとわかれば全財産を没取の上に、世界の未開地に永久追放されました。みんなが仲良くするために厳格な規則がありました」

 建造費は2010年では2兆円ですまされるとマスコミで報道されたが、実際に建設するには、7500兆円ものお金が必要である。

 それだけのお金が世界に廻ることで産業が活性化し、失業率が下がった。


作品名:宇宙列車 私の夏休み 作家名:ぽめ