海のたより
──続・はばのり──
先月はばのりのことを書きましたが、せっかくなのでどんなものか食べてみたいと思い、母に聞いてみると、少し残っているというので、一袋(5枚入り)をもらってきました。
余談ですが、インターネットで検索してみたら、この一袋が去年は小売で2,500円したそうです。普通の海苔に比べたら、ずいぶん高いものです。
母から、「一枚ずつ火であぶってもいいけど、先に細かくしてフライパンでから煎りすると、一度にたくさんできるからいいよ」と教えてもらいました。ちなみに母はあぶったはばのりを、おやつがわりにつまんでいました。
さて、お正月。
できあがって一人ずつにもったお雑煮(我が家のお雑煮は、鰹出汁の醤油仕立て)に、細かくしたはばのりをかけました。
焼いたはばのりは鮮やかな緑色で、おいしそうです。
一口食べると固い食感。普通の海苔より肉厚だからでしょう。
「う〜〜ん。においがきついね」と長男。
たしかに口に広がったのは「海のにおい」そのものです。
なんといいますか、いわゆる「磯の香り」ではなく、主張しすぎる「におい」です。香りというような柔らかな感じではありませんでした。
味は塩水で洗うため、塩味。たくさんかけるときには、汁は薄味に仕上げた方がいいようです。
決してまずくはないけれど、おいしいともいえません。どちらかといえば、青のりのほうがさわやかな味と風味だと思いました。
でも、やっぱり慣習として食べている地域の方には、なくてはならない食材なのでしょうね。
『正月にはばを食べると、一年中はばをきかすことができる』とか。
わたしもお正月にはばを食べたので、はばをきかせることができるかな?
なぜ、はばのりが採れるこのあたりでは食べられず(なのに、はばのり漁は天津小湊海岸の冬の風物詩として有名)、千葉県でも内陸部だけで食べられているのか、しらべてみてもわかりませんでしたが、素朴な「ふるさとの味」として残っていくものだと思います。
残念ながら、うちの家族には不評だったので、残ったはばのりをどうにかおいしく食べられる方法はないものかと検索したところ、お茶漬けが一番おいしく食べられそうでした。