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せき あゆみ
せき あゆみ
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海のたより

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──どんど焼き──



小正月の行事「どんど焼き」には、子どもの頃から親しんできましたが、この呼び方、てっきり方言だとばかり思っていました。

ところが「どんど」とは「火が盛んに燃えるさま」という意味だと、調べて初めて知り、この行事が、ほぼ全国共通で「どんど焼き」の名称で親しまれているということもわかりました。

一部の地方では違う呼び方もあるようで、北陸、東海地方で「左義長」、関西で「とんど焼き」、九州では「鬼火焚き」とよばれているとか。静岡県のある地域では「さいと焼き」というそうです。

さて、どんど焼きのやり方は、全国でほぼ共通して、竹、藁(わら)、杉の葉などで作った小屋ややぐらを作り、正月飾り、書き初めを一緒に燃やし、繭玉だんご、あるいは餅を焼いて食べます。

わたしが生まれた地区のどんど焼きは、櫓は組まずにそのまま飾りを放り込みます。
そして、えぼたの木の枝に小さく丸めた餅をくっつけ、その餅を火の中で焼いて食べます。
この火に当たり、餅を食べると、「風邪をひかない」、「虫歯にならない」、「一年を無病息災ですごすことができる」、「習字が上手になる」などといわれ、それらの言い習わしも全国共通のようです。

なにも味を付けない焼いただけの餅ですが、焦げたところが特においしく、いくつもほおばったものです。
焼いて食べきれずに残った餅は、家に持って帰り、おしるこなどに入れて食べました。
今わたしが住んでいる地区では、どんど焼きの行事はとっくに廃れてしまって、正月飾りもそのままゴミの日に収集車に積まれて運ばれていくので、なんだか風情がないと、結婚当初は寂しく思ったものです。

どんど焼きの起源は、正月十五日、平安時代の宮中で、清涼殿の東庭で青竹を束ねて立て毬杖(ぎっちょう)三本を結び、その上に扇子や短冊などを添え、陰陽師(おんみょうじ)が謡いはやしながらこれを焼いたという行事だそうです。それが民間に伝わってどんど焼きになったのです。

また、この行事で、毬杖(ぎっちょう)三本を結ぶことから三毬杖(さぎちょう)という名でよばれるようになったそうです。「左義長」というのはきっと当て字なのでしょうね。

でもこの行事、今まで1月15日に行われていましたが、祝日の移動によって、毎年日にちが変わってしまうため、参加する人も少なくなってきたようです。

作品名:海のたより 作家名:せき あゆみ